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今回の東日本の震災では、大きな揺れが起こった時ばかりでなくその後も原発の事故などにより深刻な電力不足が続いている。そのため、東京電力の営業エリアをいくつかのブロックに分け、電力が足りなくなりそうな場合に時間を区切ってエリアごとに交代で停電する、という対応が行われている。しかし停電が必ず毎日実施されるという事でもなく、されるかされないかは直前まで分からない事が多い。
この様に急な停電が心配される状況では、インハウスのサーバー設備ならばUPSやデータバックアップの機器を組み込んでおく必要性が非常に大きくなってくる。しかしそのような構成を充実させればさせる程、コストも掛かってしまう。
これに対し、データセンターにサーバーが設置されている構成であれば、停電時の電源供給やデータのバックアップ機能がはじめから標準装備されているため、一定の信頼を手軽に確保する事ができる。サーバーに関してはVPSなど、事務所とデータセンターを結ぶネットワークにはVPNなどといった仮想化の技術の発達や、ASP、SaaSといったものが次々と発売されているおかげで手軽に導入できる低価格なサービスが普及してきた。インハウスの機材を見積もる前に、クラウドを活用できないかどうかをまず検討するという習慣をお勧めしたい。ただしサーバーの販社からの賄賂で生計を立てている薄給の総務担当者には死活問題かも知れない。
2.できるだけノートPCを使ってみる
デスクトップPCならば停電の瞬間に電源が切れてしまうが、ノートPCならばどんなに内臓バッテリーによる連続駆動時間が短い仕様だとしても、作業中のファイルを保存してからシャットダウンするのには十分電源を持たせてくれるだろう。
かつてノートPCはデスクトップPCと比較すると高価格でかつ性能が劣った為、事務用には敬遠するファシリティ担当者も居るかも知れない。しかしノートPCもムーアの法則に従って性能が向上し続けている。特別負荷の大きな処理を行ったり、持ち運べない様にしたいなどの特殊な事情が無い場合は、最近の標準的なスペックであればノートPCを使うメリットの方が大きいのではないだろうか。
しかしひょっとすると「モニタが小さいよ」「モニタとキーボードが近すぎるよ」「キーボードが打ちづらいよ」なんて不満の声という人災が担当者を襲ってくるかもしれない。そんなときは、フルサイズのUSBキーボードとモニタを用意して黙らせてしまえばいい。キーボードの価格はご承知の通りだし、モニタも随分安くなった。 ついでにその時には、なんだかんだレイアウト上の理由をくっ付けて仕事中ネットサーフィンばっかりしているのが通路から丸見えの位置に配置してやってウサ晴らししよう。
もともとノートPCはオフィスでない場所をオフィスにしてしまう道具だ。極論、災害時にはオフィスがオフィスでなくなることもあろう。そんな時にノートPCは本領を発揮してくれるだろう。
3.選べるならブラインドでなくカーテンにしてみる
入居時に既にブラインドが取り付けてあればわざわざ取り替えるのもコストになってしまうが、もし入居者が自前で用意するという物件だったら、ブラインドでなくカーテンにしてみよう。
もちろんコストも抑えられるし、割れたガラスの室内への拡散を防いで真下に落としてくれるという機能もある。また、ブラインドは激しい地震でブランブラン揺れると、それ自体が凶器になってしまうかもしれない。そう、ブラインドがブランブラン揺れると危ないのだ。
さらに今回の大きな揺れの実体験からいうと、ブラインドがガチャガチャと音を立てながら揺れる様子はコワい。地震を一層恐ろしくする感じだ。仮にカーテンであったなら心理的な不安を一かき立てられずに済み、パニックを少しでも抑える効果があるのではないだろうか。
もちろん、個室もちの社長や役員にイヤな奴がいれば、そこはきっちりブラインドにしておこう。中に居るときに地震が起きれば、パニックになる様子を眺めて楽しめる。ただし、見物に夢中になり過ぎて自分の避難がおろそかにならない様に気を付けよう。
4.災害対応型自動販売機を誘致してみる
非常用飲料水を用意しておくというのは非常に一般的だ。しかし保管の為のスペースや賞味期限の管理を必要とするので、手間を増やしてしまう。そこで自販機を誘致してみるのも手だ。自販機ならサービスマンに任せておけば常に十分な賞味期限の商品を一定量補充しておいてくれる。設置して売上本数がある程度望めるなら、オフィスにとってコストの負担が無くて済む様に条件を交渉してみるのが良いだろう。
最近では大災害時に緊急信号を受信して、中の飲料を無料開放してくれる自販機もある。それを設置できればなお安心だ。ただし、自販機は震災で倒れる危険性がある。設置時には十分な地震対策が必要だ。
ただし設置するや否や「コカコーラじゃなくて博水社かホッピービバレッジがよかった」だとか「アンバサとメローイエローとメッコールは入れてもらえないの?」だとか、不条理な個人的要求を不当に突きつけられる事も予想される。それらを無視できるメンタルの強さがあれば誘致を検討してみよう。
5.置き薬を利用してみる
置き薬自体は古くからあるシステムだが、震災を機会にその利便性を見直してみるのも良いだろう。ジェネリックを使ってくれる業者さんなら、コストも抑えられる。肩コリのために湿布ばっかり持っていく奴と二日酔いで胃腸薬ばっかり持っていく奴さえマークしておけばまあ安泰だろう。
6.オフィスグリコを導入してみる
本格的な非常食にはもちろんかなわないが、糖分を補給できるお菓子を常にオフィスに確保できるという点は注目である。
他に、パンやお菓子の自販機を誘致するという手もある。しかし、いちど話してみたところかなりの販売量が見込める場所でないと設定してくれないという話だったので、規模が小さいオフィスなら難しいかも知れない。
商品の補充に来てくれたお姉さんに「コアラのマーチはないの?」とうっかり聞くとマナー違反になるので気を付けよう。
7.仕出し弁当を取ってみる
震災時は食糧の入手が困難になる事が考えられる。物流網の被害もあるかも知れないし、今回の地震では混乱の中での買占めという現象も起こった。しかし毎日届けてくれるお弁当屋さんは、震災直後も独自のルートで食材の供給を受け、お弁当を届け続けてくれるかも知れない。食糧を入手できる可能性を高める事ができる。
ついでに、お嫁さんとケンカした翌日は、2食注文して昼も夜も食べて帰るなんていう裏技もできる。
8.有線放送に加入してみる
災害情報を聴ける様にするため、というのももちろん目的のひとつだ。しかしここでもっと注目するのは、社内のあちこちに向けてアナウンスできるスピーカーとアンプを備え付けておくという点だ。
USENでは、入会時に限り破格の低価格で天井や壁へのスピーカーの取付・配線工事を行ってくれる。アンプにはUSENのチューナー以外の音源やマイクの入力も可能だから、色々な用途に応用が可能だ。
閉じ込められた空間で安否の確認を取り合う、集合の合図を流す、はたまた緊張状態を緩和したり、元気づけたりしてくれるBGMを流す、といった事にも役立つ事が考えられる。災害発生時から復興時まで、色々役に立ちそうだ。 ただ、仕事中にスタッフが勝手に自分の好きな音楽を流したり、果てには流したい音楽をめぐって抗争が勃発しないように要注意だ。
9.Skypeを使い慣れてみる
今回の東北・関東大震災では、電話が使えない場所でも比較的インターネットが利用可能でるあるケースが多かった。 電話の代わりのコミュニケーション手段のひとつとして日頃から職場のみんなに使い慣れてもらうのが良いだろう。どさくさにまぎれて上司の奥さんがどんな顔をしているのか確認できるチャンスがやって来るかも知れない。
10.動物はあえて飼わない様にしてみる
熱帯魚や小動物を飼うオフィスもときどき見かける。しかし、震災時はとても世話どころではないだろう。揺れている最中は水槽や檻自体も障害物としての危険性があるし、水や餌や排泄物で周囲が汚れてしまうかもしれない。逃げ出してしまうケースも考えられるだろう。
震災のストレスを癒してくれるというプラス効果も期待できるが、一般的に考えればリスクの方が大きいだろう。 ワンマン経営者が無類の動物好きだとか、偶然にも動物好きのスタッフが集まってしまったため飼わないと飲み会で仲間外れだとか、そんな事情が無ければ避けておいた方がよいだろう。
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終わりに
天災はいつどこを襲ってくるか分からない。そしてその被害が大きければ、悲劇にもつながる。しかし、我々は事前に対策をする事ができる。もちろん完全には無理だろうが、被害をやわらげ、悲劇を減らす確率を大きくすることができる。
大震災が起こった直後に、たまたまこうして無事でいられた我々がすべき事は何だろうか。まずやるべき事は、災害対策が足りない部分を探して、対策を講じる事ではないだろうか。今なお余震が群発している。だからせめて身の回りで対策が不十分な所は対策をして、仮に大きな一撃がやってきて被害を受けたとしても、周囲の人々から受けるべき救助や支援が極力少なくて済むように備えておくべきではないだろうか。もちろん、自分よりも被害の大きかった人に手を差し伸べるという事も大事だと思うが、自分自身の対策が十分できているかどうかの確認はぜひ皆さんに行って頂きたいと思う。
震災の直後から、近所のスーパーやコンビニでは食料や日用品が買い占めにあって品切れの状態が続いている。そんな中、半ばあきらめながら訪ねたブックオフには、防災や災害対策の本の在庫がたくさんあった。私はその中から欲しいと思った1冊を買って一気に読んだ。
私はすぐに対策が不十分だった自分のオフィスを見回し、家具を固定したり、災害時の行動マニュアルを作って職場中に配ったり、今まで甘く見ていた災害対策に取り掛かった。私の周りを見る限り、災害のニュースに興味のある人間は多いが、自分のすぐ身の回りの対策のための行動にただちに取り掛かっている人間は少ない。むろん、災害対策とは単に買占めをするだけの事とは次元が違う事を意味している。しかし他人を非難していても始まらない。気付いた人間は、周りに声をかけながら、どんどん対策作業を進めた方がいいと思う。そして、より被害の大きかった人に手を差し伸べれば、被災地の復興も早まるだろう。この駄文が、読んで頂いた皆さんにとって対策を始めるきっかけとなってくれれば幸いだ。
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